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2019-09-12 19:22
by dn
  Last edited:

マイクロバイオームが乱れると皮ふの病気になります

アトピー性皮ふ炎

黄色ブドウ球菌が増えすぎるとアトピー性皮膚炎になります
黄色ブドウ球菌が増えすぎるとアトピー性皮膚炎になります

神経皮膚炎としても知られているアトピー性皮ふ炎(AD)は子供に大きな影響を与える、とても深刻な慢性皮膚感染症です。マイクロバイオームの劇的なディスバイオーシスがこの病気に大きく関わっています。アトピー性皮膚炎は最初に何が原因となるのでしょうか?皮ふの炎症でしょうか?それとも黄色ブドウ球菌の感染でしょうか?患者の皮ふの感染部位だけでなく、感染していない場所でも黄色ブドウ球菌が劇的に増えること(90%)を考えると、後者が正しそうです。健康な人では、黄色ブドウ球菌は皮ふでは稀にしか見つかりません。AD患者で劇的に増えた黄色ブドウ球菌は、この細菌を排除する善玉共生菌が生息する空間と栄養を独占してしまいます。興味深いことに、黄色ブドウ球菌と戦う表皮ブドウ球菌も、健康な人よりもAD患者でたくさん見つかっています。表皮ブドウ球菌黄色ブドウ球菌と戦うために増殖していることが示唆されていますが、これはまだ推測に過ぎません。

にきび

にきびで私たちを苦しめる細菌、アクネ菌
にきびで私たちを苦しめる細菌、アクネ菌

多くの方が思春期にこの病気を経験します。実際、10代の85%がにきびになります。10代の若者を苦しめる細菌はアクネ菌で、普段は穏やかにシンバイオーシス(相利共生)を保って私たちと共存しています。しかし思春期が始まると、皮ふ、特に顔の化学組成がホルモンの変化によって変わります。これによって免疫系とアクネ菌の間に戦いが起こり、皮脂腺が感染し、にきびができます。科学者たちは、特定の種のアクネ菌がにきびを引き起こし、他の共生菌とは異なる働きをしているのかどうかについて研究しています。

クリスティン・ノイマン博士, 著者
クリスティン・ノイマン博士
著者

みなさん、こんにちは。微生物学者のクリスティン・ノイマンです。生命の仕組みに興味があり、分子生物学を学びました。…

ファビアン・ガイヤー, 特別寄稿者
ファビアン・ガイヤー
特別寄稿者

ファビアン・ガイヤー氏から素晴らしい特別寄稿を頂きました。
ガイヤー氏はBIOMES社コミュニケーション・チームの一員です。BIOMES社はベルリンを拠点とするバイオ企業で、一般と専門家向けのマイクロバイオーム解析を専門としています。
ガイヤー氏は熟練の「翻訳者」として、人間と細菌の仲を取り持ちます。人間と細菌の関係は長年大きく誤解されていました。

リサ・カイルホーファー, 著者
リサ・カイルホーファー
著者

レーゲンスブルク大学で学びました。
多言語化業務に携わり、フリーランスの編集者としても活躍しています。

キャラ・コーラー
キャラ・コーラー
著者

シカゴのデポール大学とドイツのバンベルク大学で学位を取得し、現在博士号取得候補者となっています。
また、フリーランスの独英翻訳者、英独コピーエディターとしても活躍しています。

インゲ・リンドセット
インゲ・リンドセット
登録栄養士

オスロ大学のインゲ・リンドセットは登録栄養士で、専門分野は糖尿病と肥満、運動療法です。エクササイズの効果を最大限に高めたり、スポーツで最高のパフォーマンスを上げるための研究を行っています。
インゲ・リンドセットについて(ノルウェー語)

マリア・ペトロヴァ博士
マリア・ペトロヴァ博士
寄稿著者

マリア博士はヒトマイクロバイオームの分野で世界的に著名な研究者です。泌尿生殖器の細菌叢とプロバイオティクスを研究しています。ベルギーのルーベン・カトリック大学とアントワープ大学で乳酸桿菌と病原菌・ウイルスの分子相互作用を研究し、博士号を取得しました。博士の大きな業績は、ポスドクフェローのときに行った乳酸桿菌の遺伝的、分子的、機能的特性の研究です。この研究によって、膣内環境下での乳酸桿菌の働きについて素晴らしい知見を得ました。
マリア・ペトロヴァ博士について(英語)

ヨハンナ・ギルブロ博士
ヨハンナ・ギルブロ博士
寄稿著者

ヨハンナ・ギルブロ博士は受賞歴のある皮ふの専門家で、ベストセラーとなった『Skin We’re In』の著者です。
博士は実験皮ふ病学、臨床研究、そしてスキンケア製品開発の分野で15年以上の経験を持っています。また、製薬企業での長い経験を持っています。皮ふ科とコスメティクスの国際会議では、最先端の研究について頻繁に講演を行っています。また、「International Journal of Cosmetic Science」誌で過去10年の間に最も多く引用された研究者でもあります。博士はアンチエイジング成分で複数の特許を取得しており、スキンケア企業でアンチエイジング治療の研究・開発マネージャーを務めています。ギルブロ博士がスキンケア分野のエキスパートであることは言うまでもありません。『Skin We’re In』の執筆が示すように、現在は私たちのような一般人に知識を伝えることを使命としています。
2019年4月の出版の以来、『Skin We’re In』は主要な販売店でベストセラーとなっています。現在、スウェーデン語版のみが刊行されています。
https://www.skinomeproject.com

ディミトリ・アレクセーエフ博士
ディミトリ・アレクセーエフ博士
寄稿著者

ディミトリ・アレクセーエフ博士は消化管マイクロバイオーム、分子生物学、バイオインフォティクス、栄養学分野の優れた研究者です。基礎研究の臨床への応用に情熱的に取り組んでいます。Atlas Biomedグループでの主な役割は、社内外の科学プロジェクトを発展させることです。博士が携わっているプロジェクトは、栄養や神経変性疾患、炎症やがんに対するマイクロバイオームの応用、英国医薬品・医療製品規制庁の承認など多岐にわたります。Atlas Biomedグループでの統合的な役割に加え、ディミトリ博士は現在サンクトペテルブルクITMO大学で助教授を務め、健康のためのアルゴリズム開発を行っています。今後、博士はオランダのフローニンゲン大学医療センター(UMCG)に移り、老化研究に携わることになっています。
ディミトリ博士について(英語)

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