Good news
2019-09-12 19:14
by Kristin Neumann
  Last edited:

ヒトマイクロバイオーム計画

生物学における大発見の時代は終わったと思われています。

しかし、生物学の発展が今どの位置にあるのか考えてみてください — マイクロバイオームという私たちの認識を一変させる、新しい世界を見出しているところなのです。

人間は誰もが超個体なのです!
人間は誰もが超個体なのです!

私たちはみんな「超個体」です。

ヒトマイクロバイオーム計画(HMP)は史上最も大きな生物学の計画のひとつです。微生物学においてマイクロバイオームは、微生物学の創始者であるルイ・パストゥール以来の最も魅力的なトピックです。HMPの目標は、人間の体に生息する全ての細菌と、細菌が人間の健康病気に与える影響の一覧表をつくることです。

HMPは2008年にアメリカの国立衛生研究所(NIH)によって、ヒトゲノム計画(HGP)の理念を拡張して設立されました。HGPの驚くべき成果の一つは、ヒトゲノムがわずか2万から2万5000の遺伝子しか含んでおらず、研究者たちが発見できると見込んでいた数の5分の1の遺伝子しか見つけられなかったことです。欠けた遺伝子の探求は、研究者たちの関心をマイクロバイオームに向かわせました。

ヒトマイクロバイオーム計画は以下の研究機関を含む諸学提携のプロジェクトです。

バージニア・コモンウェルス大学、ブロード研究所、スタンフォード大学、ジャクソン研究所、ベイラー医科大学、ワシントン大学医学部、J・クレイグ・ヴェンター研究所、データ連携研究センター (DCC)

HMPの第一フェーズ (HMP1)は、5年間で1億5千万ドルの予算を組んで開始されました。このフェーズでは、健常者を対象に、人体の5つの主要箇所である皮ふ、鼻、口、消化管、膣に焦点を置いた分析が行われました。HMP1は2013年に終了し、300人の被験者から14テラバイトのデータが集められました。

HMPの第二フェーズは統合的HMP(iHMP)と呼ばれ、2014年に立ち上げられました。iHMPでは以下の問題に焦点を置いて、マイクロバイオームと宿主(人間)両方の生物学的特性に関するデータセットを作成しています。


妊娠と早産


炎症性腸疾患
(IBD)の発症


2型糖尿病の発症

HMPで得られたすべてのデータは一般に公開されています。

こちらからご覧ください。https://hmpdacc.org(英語)/

クリスティン・ノイマン博士, 著者
クリスティン・ノイマン博士
著者

みなさん、こんにちは。微生物学者のクリスティン・ノイマンです。生命の仕組みに興味があり、分子生物学を学びました。…

ファビアン・ガイヤー, 特別寄稿者
ファビアン・ガイヤー
特別寄稿者

ファビアン・ガイヤー氏から素晴らしい特別寄稿を頂きました。
ガイヤー氏はBIOMES社コミュニケーション・チームの一員です。BIOMES社はベルリンを拠点とするバイオ企業で、一般と専門家向けのマイクロバイオーム解析を専門としています。
ガイヤー氏は熟練の「翻訳者」として、人間と細菌の仲を取り持ちます。人間と細菌の関係は長年大きく誤解されていました。

リサ・カイルホーファー, 著者
リサ・カイルホーファー
著者

レーゲンスブルク大学で学びました。
多言語化業務に携わり、フリーランスの編集者としても活躍しています。

キャラ・コーラー
キャラ・コーラー
著者

シカゴのデポール大学とドイツのバンベルク大学で学位を取得し、現在博士号取得候補者となっています。
また、フリーランスの独英翻訳者、英独コピーエディターとしても活躍しています。

インゲ・リンドセット
インゲ・リンドセット
登録栄養士

オスロ大学のインゲ・リンドセットは登録栄養士で、専門分野は糖尿病と肥満、運動療法です。エクササイズの効果を最大限に高めたり、スポーツで最高のパフォーマンスを上げるための研究を行っています。
インゲ・リンドセットについて(ノルウェー語)

マリア・ペトロヴァ博士
マリア・ペトロヴァ博士
寄稿著者

マリア博士はヒトマイクロバイオームの分野で世界的に著名な研究者です。泌尿生殖器の細菌叢とプロバイオティクスを研究しています。ベルギーのルーベン・カトリック大学とアントワープ大学で乳酸桿菌と病原菌・ウイルスの分子相互作用を研究し、博士号を取得しました。博士の大きな業績は、ポスドクフェローのときに行った乳酸桿菌の遺伝的、分子的、機能的特性の研究です。この研究によって、膣内環境下での乳酸桿菌の働きについて素晴らしい知見を得ました。
マリア・ペトロヴァ博士について(英語)

ヨハンナ・ギルブロ博士
ヨハンナ・ギルブロ博士
寄稿著者

ヨハンナ・ギルブロ博士は受賞歴のある皮ふの専門家で、ベストセラーとなった『Skin We’re In』の著者です。
博士は実験皮ふ病学、臨床研究、そしてスキンケア製品開発の分野で15年以上の経験を持っています。また、製薬企業での長い経験を持っています。皮ふ科とコスメティクスの国際会議では、最先端の研究について頻繁に講演を行っています。また、「International Journal of Cosmetic Science」誌で過去10年の間に最も多く引用された研究者でもあります。博士はアンチエイジング成分で複数の特許を取得しており、スキンケア企業でアンチエイジング治療の研究・開発マネージャーを務めています。ギルブロ博士がスキンケア分野のエキスパートであることは言うまでもありません。『Skin We’re In』の執筆が示すように、現在は私たちのような一般人に知識を伝えることを使命としています。
2019年4月の出版の以来、『Skin We’re In』は主要な販売店でベストセラーとなっています。現在、スウェーデン語版のみが刊行されています。
https://www.skinomeproject.com

ディミトリ・アレクセーエフ博士
ディミトリ・アレクセーエフ博士
寄稿著者

ディミトリ・アレクセーエフ博士は消化管マイクロバイオーム、分子生物学、バイオインフォティクス、栄養学分野の優れた研究者です。基礎研究の臨床への応用に情熱的に取り組んでいます。Atlas Biomedグループでの主な役割は、社内外の科学プロジェクトを発展させることです。博士が携わっているプロジェクトは、栄養や神経変性疾患、炎症やがんに対するマイクロバイオームの応用、英国医薬品・医療製品規制庁の承認など多岐にわたります。Atlas Biomedグループでの統合的な役割に加え、ディミトリ博士は現在サンクトペテルブルクITMO大学で助教授を務め、健康のためのアルゴリズム開発を行っています。今後、博士はオランダのフローニンゲン大学医療センター(UMCG)に移り、老化研究に携わることになっています。
ディミトリ博士について(英語)

この記事が気に入ったらシェアしてください。
Copyright 2019 mymicrobiome.co.jp - All rights reserved.

免責事項:このサイトやブログの内容は医学的助言、診断や治療を提供することを意図したものではありません。