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2020-04-27 10:52
by Lisa Keilhofer
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パニックにならず、深呼吸しましょう!

パニックにならず、深呼吸しましょう!
パニックにならず、深呼吸しましょう! (画像: © kegfire – stock.adobe.com)

新型コロナウイルスに関する記事はたくさんあります。ですが、私たちはウイルス学者ではなく、新しく公開される記事には最新の情報がいつも含まれているわけではありません。新型コロナウイルスについて、私たちはどれだけ本当のことを知っているのでしょうか。

実際、政治や専門機関はとても良く動いているように思えます。ウイルス感染の対策が遅れれば人命が失われ、逆に過剰な対策が取られれば経済が犠牲になるのは、最近の事例からも明らかです。

新型コロナウイルスの感染率や年齢ごとの死亡率に関しては、今回の記事では触れません。これらについては未だ十分なデータが存在しないからです。今回の記事では、現在分かっていることに注目します。重篤な症例では、上気道だけでなく肺も大きく傷つけられることに関わる話です。

呼吸以外に、肺にはどんな役割があるのですか?

呼吸以外で、肺の働きについて私たちは何を知っているでしょうか?数少ない肺の専門家の一人が、ドイツのヘルムホルツミュンヘン環境健康研究センター(ドイツ語)のミカエル・シュローター博士です。2019年4月に行われたインタビューで、博士は現在の研究で分かっていることについて語ってくれました。

肺は、呼吸によって体内に入ってきたウイルスや細菌、他の物質に対する最初のバリアとなります。息を吸うことで、私たちは必要な物質だけでなく、不必要なものも吸い込んでしまいます。ですが、体は不必要なものを体内には取り込まないようになっています。そして、マイクロバイオームがプレボテラ属の細菌を一番多く含んだ健全な状態であると、肺の防衛力は最も強固な状態となります。プレボテラ属の細菌が何らかの機能を持っているのかどうかや、持っているとしたらどんな機能なのかについては、明確なことはまだ分かっていません。ですが、すでに多くの細菌が肺に住んでいる場合には、外から侵入してきた細菌はより簡単に撃退されることは分かっています。また、肺マイクロバイオームの細菌は免疫系を強化してくれることも分かっています。

(シュローター博士のインタビューの詳細な内容については、次の記事をご覧ください-「科学者たちがほとんど調査されていなかった肺マイクロバイオームの研究に着手しています」

肺の健康のためにできること?

肺の防衛機能を助けるためにできることはたくさんあります。まず、喫煙をしないことが一番です。タバコを吸わない方や、禁煙を考えている方には良い話ですね。ただし、禁煙の他にもできることはあります。

小さな塵の影響は一般的に過小評価されています。車や工場から出る排ガスのナノ粒子は、肺に大きな影響を及ぼします。住んでいる場所によっては、大気汚染は大きな問題です。例えば、北京、デリー、メキシコシティーやサンパウロなどは、大気汚染が深刻です。大気汚染がひどい都市では、ウイルスの拡散を防ぐ予防策だけでなく、高度に汚染された空気を吸い込まないための予防策も大事なのです。

自宅でも、汚染された空気を吸い込まない対策をすることが大事です。例えば、暖房は大きな問題です。薪オーブンは自動車工場よりも多くの微粒子を発生させます。このことはドイツの雑誌「GEOマガジン」2018年11月号(ドイツ語)の見出しを飾りました。良い機会なので自宅の暖房システムを点検し、薪オーブンを使っているのであれば新しいものに変えることを検討してみてください。日昭時間が長くなって気温が温かくなってくれば、コロナウイルスが猛威を振るっている地域では、暖房の使用は控えるのが良いです。

小さなことですが、その分簡単に対策できることがあります。線香や香り付きのキャンドルなどは、リビングルームに小さな欠片をたくさん落とします。フレグランスの入った加湿器は有害なものが多いです。また、空気中に過剰に湿気が集中するとイエダニやカビが増え、ダニの糞やカビの胞子が人間の肺に悪い影響を及ぼします。過剰な湿気は健康に逆効果です。

健康は体の内側からと言われますが、そんなに簡単なことなのでしょうか?

大気が汚染された都市部に住む全ての人々が、コロナウイルスの感染が拡大したときに避難できる海辺のキャビンを持っているわけではありません。現状では、海辺に行くのも難しいのですが…。また、車や工場から出る排気ガスを完全に無くしてしまうこともできません(例え、現在の都市封鎖によって大気の質が少し改善しているとしてもです)。

また、既往症のある方は、線香やキャンドルを自宅から取り除いたとしても、症状が改善するわけではありません。今回のアドバイスは軽度のコロナウイルス感染症の患者で、自宅で療養する必要があり、少しでも症状を緩和させたい方々向けのものです。日常生活の小さな改善で肺への負荷を取り除くことができれば、重症化を避けられる可能性も高くなります。

自宅の環境を改善した次にできること

私たちができることがもう一つあります。肺を鍛えることは健康に良いことが証明されています。都市封鎖を行っている国でも、エクササイズや早歩きは許可されて場合が多く、奨励されているところもあります。 健康な空気は肺にとても良いです(そして、精神の安定にも良いです)。自宅でのヨガは呼吸法を中心としています。ロープを跨ぐスキップをしたり、ダンスなども心肺系に良い刺激を与えます。そして、最後のアドバイスです。ソファーの上に寝そべってダラダラと過ごすことには、とても良い効果があります。笑いながら歌を歌いましょう。心の底から笑って歌えば、健康にとても良いです。

パニックを起こさず、深呼吸しましょう!

クリスティン・ノイマン博士, 著者
クリスティン・ノイマン博士
著者

みなさん、こんにちは。微生物学者のクリスティン・ノイマンです。生命の仕組みに興味があり、分子生物学を学びました。…

ファビアン・ガイヤー, 特別寄稿者
ファビアン・ガイヤー
特別寄稿者

ファビアン・ガイヤー氏から素晴らしい特別寄稿を頂きました。
ガイヤー氏はBIOMES社コミュニケーション・チームの一員です。BIOMES社はベルリンを拠点とするバイオ企業で、一般と専門家向けのマイクロバイオーム解析を専門としています。
ガイヤー氏は熟練の「翻訳者」として、人間と細菌の仲を取り持ちます。人間と細菌の関係は長年大きく誤解されていました。

リサ・カイルホーファー, 著者
リサ・カイルホーファー
著者

レーゲンスブルク大学で学びました。
多言語化業務に携わり、フリーランスの編集者としても活躍しています。

キャラ・コーラー
キャラ・コーラー
著者

シカゴのデポール大学とドイツのバンベルク大学で学位を取得し、現在博士号取得候補者となっています。
また、フリーランスの独英翻訳者、英独コピーエディターとしても活躍しています。

インゲ・リンドセット
インゲ・リンドセット
登録栄養士

オスロ大学のインゲ・リンドセットは登録栄養士で、専門分野は糖尿病と肥満、運動療法です。エクササイズの効果を最大限に高めたり、スポーツで最高のパフォーマンスを上げるための研究を行っています。
インゲ・リンドセットについて(ノルウェー語)

マリア・ペトロヴァ博士
マリア・ペトロヴァ博士
寄稿著者

マリア博士はヒトマイクロバイオームの分野で世界的に著名な研究者です。泌尿生殖器の細菌叢とプロバイオティクスを研究しています。ベルギーのルーベン・カトリック大学とアントワープ大学で乳酸桿菌と病原菌・ウイルスの分子相互作用を研究し、博士号を取得しました。博士の大きな業績は、ポスドクフェローのときに行った乳酸桿菌の遺伝的、分子的、機能的特性の研究です。この研究によって、膣内環境下での乳酸桿菌の働きについて素晴らしい知見を得ました。
マリア・ペトロヴァ博士について(英語)

ヨハンナ・ギルブロ博士
ヨハンナ・ギルブロ博士
寄稿著者

ヨハンナ・ギルブロ博士は受賞歴のある皮ふの専門家で、ベストセラーとなった『Skin We’re In』の著者です。
博士は実験皮ふ病学、臨床研究、そしてスキンケア製品開発の分野で15年以上の経験を持っています。また、製薬企業での長い経験を持っています。皮ふ科とコスメティクスの国際会議では、最先端の研究について頻繁に講演を行っています。また、「International Journal of Cosmetic Science」誌で過去10年の間に最も多く引用された研究者でもあります。博士はアンチエイジング成分で複数の特許を取得しており、スキンケア企業でアンチエイジング治療の研究・開発マネージャーを務めています。ギルブロ博士がスキンケア分野のエキスパートであることは言うまでもありません。『Skin We’re In』の執筆が示すように、現在は私たちのような一般人に知識を伝えることを使命としています。
2019年4月の出版の以来、『Skin We’re In』は主要な販売店でベストセラーとなっています。現在、スウェーデン語版のみが刊行されています。
https://www.skinomeproject.com

ディミトリ・アレクセーエフ博士
ディミトリ・アレクセーエフ博士
寄稿著者

ディミトリ・アレクセーエフ博士は消化管マイクロバイオーム、分子生物学、バイオインフォティクス、栄養学分野の優れた研究者です。基礎研究の臨床への応用に情熱的に取り組んでいます。Atlas Biomedグループでの主な役割は、社内外の科学プロジェクトを発展させることです。博士が携わっているプロジェクトは、栄養や神経変性疾患、炎症やがんに対するマイクロバイオームの応用、英国医薬品・医療製品規制庁の承認など多岐にわたります。Atlas Biomedグループでの統合的な役割に加え、ディミトリ博士は現在サンクトペテルブルクITMO大学で助教授を務め、健康のためのアルゴリズム開発を行っています。今後、博士はオランダのフローニンゲン大学医療センター(UMCG)に移り、老化研究に携わることになっています。
ディミトリ博士について(英語)

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