Good news
2020-04-15 11:15
by Inge Lindseth
  Last edited:

隔離生活中に健康な食事を行う

隔離生活中に健康な生活を行うべき理由
隔離生活中に健康な生活を行うべき理由 (画像: © ImagESine – stock.adobe.com)

隔離中の食事

最近では、すべてのニュースが新型コロナウイルスのパンデミックに関するものであるように感じます。インターネットも同じで、聞きたくなくても耳に入ってきてしまいます!読者の方は安心してください。この記事はパンデミックについて不安を煽るようなものではありません。そうではなく、この危機において、より良い形で元気を保つためのポイントについて書いていきたいと思います。

新型コロナウイルスに感染すると、若くて健康的な(または健康そうに見える)人であっても重篤な症状を示すことがありますが、最も深刻な影響があるのは虚弱な方や高齢者です。現時点で、新型コロナウイルス感染症の重篤度に関連する主因が何なのかははっきりとしていません。ですが、このことはウイルス感染に対する体の準備をしなくて良いという意味ではありません。さまざまな要因の中でも、健康的なマイクロバイオームと健康的な食事は、ウイルスと戦う免疫系を助けてくれます。

お勧めの記事:「ウイルス感染からマイクロバイオームがあなたを守ってくれます!」

そして、もしあなたが感染や外出制限のために突然に自宅で隔離生活を送ることになったら、食料の備蓄は、隔離生活を乗り切り、健康を維持するための良い手段となります(そして、室内でできる運動も行いましょう!)。

エネルギーの豊富な食べ物をオススメします

インゲ・リンドセット博士はオスロのBalderklinikken社の登録栄養士で、最近新型コロナウイルスに感染し、10日間の自宅隔離となりました。博士はアパートに閉じ込められている間、美味しい食が元気と気持ちを保つために重要であることを理解しました。

ウイルスに感染しても寝たきりになったわけではありませんでした。食事をつくる元気はありました。野菜、ベリー、そしてナッツ類が食事の大半を占め、加工食品は食べませんでした。

博士はウイルスに感染する前に食料の備蓄は行っていませんでした。というのも、彼が後にウイルスの感染リスクが非常に高いと指定された国-オーストリアにいた時点では、自分のいる場所が感染リスクが高い所だとは知らなったからです。隔離生活は突然始まりました。そして、数日後にはコロナウイルス感染陽性の結果が戻ってきたのです。友人や家族による食料の配達はとても重要でした。

れでも、闘病中や隔離中の食糧の不足は大きな問題ではありませんでした。ファスティングと、もっと効果的な方法であるファスティング模倣食(関連記事-英語)は健康に良い影響を与えてくれます。もし食料の不足が1日や2日程度であれば、免疫系に悪い影響を与えることはありません。ですが、隔離期間中には、飢えは精神的に悪い影響をもたらします。

チーズは備蓄するには最適な食品です。長期間保存することができ、100gあたりのエネルギー量はとても大きいです。そして、さまざまな使い方をすることができます。インゲ博士はこのようなアドバイスの後、次のように続けました。「食料の不足が心配で、なおかつ自宅に長持ちしない食べ物はたくさんは保存したくないとしましょう。その場合は、オリーブオイルやナッツ類、ベーコンや他の脂肪性食品などのエネルギーの豊富な食物を備蓄してください(冷凍庫に貯蔵しましょう)。乾燥させた、またはフリーズドライのベリーやナッツ類、ジャガイモ類も健康的で、長持ちする食材です。すでに十分な脂肪性食品を備蓄している場合にも、これらの食材を追加しても良いでしょう。米、オオムギ粒、キヌアもまた長持ちします。」

隔離生活中は特に健康的な食事をすべき理由

心の健康と快適さのために-不健康な食事をする必要はありません

一部の人々にとって、病気になることは不健康な食事をすることの言い訳となります。ですが、病気のときにジャンクフードを食べて本当に良い気持ちになれるでしょうか?食べた後に本当に快適さを得られるでしょうか?マインドを変えてみましょう。病気のときに健康的な食事を取ることは、1個の石で二羽の鳥を捕まえるのと同じことです。まずウイルスの影響から体を守ることができます。そして隔離生活によるストレスや運動不足に晒されている体を助けることができるのです。

インゲ博士は、健康的な食事とは食材に含まれる栄養素だけで決まるものではないと強調しています。工業的な加工がどの程度行われているのかや、食事をするタイミングも関わります。また、博士の言うジャンクフードとは、これまでの一般的な意味でのジャンクフードとは少し異なります。

シリアル、グラノーラバー、パン、ヨーグルト、フィッシュフィンガー、パテ/パスタ、そしてスプレッドなどの朝食は、いずれも加工度の高い食品です。これらの加工食品のどの要因が健康に良くないのかは未だ分かっていませんが、現在では加工食品は最小限に留め、できる限り自分で食事をつくるのが健康に良いとされています。ポテトチップスやゼリービーンズではなく、軽く塩をふったケールチップやナッツ類、ドライベリーを食べてみてはいかがでしょうか。少なくとも、加工食品を1日中食べることは避けた方が良いでしょう。夜遅い時間の食事や、短い間隔での食事は、マイクロバイオームと概日リズムの両方を乱す可能性があります。

博士は最後にもう一度繰り返してくれました。

「1日中」食べ続けるのはやめましょう。夜遅い時間の食事や、短い間隔での食事は、マイクロバイオームと概日リズムの両方を乱す可能性があります。

 

オススメの関連記事:「健康的なマイクロバイオームを育むのに良い食べ物」

クリスティン・ノイマン博士, 著者
クリスティン・ノイマン博士
著者

みなさん、こんにちは。微生物学者のクリスティン・ノイマンです。生命の仕組みに興味があり、分子生物学を学びました。…

ファビアン・ガイヤー, 特別寄稿者
ファビアン・ガイヤー
特別寄稿者

ファビアン・ガイヤー氏から素晴らしい特別寄稿を頂きました。
ガイヤー氏はBIOMES社コミュニケーション・チームの一員です。BIOMES社はベルリンを拠点とするバイオ企業で、一般と専門家向けのマイクロバイオーム解析を専門としています。
ガイヤー氏は熟練の「翻訳者」として、人間と細菌の仲を取り持ちます。人間と細菌の関係は長年大きく誤解されていました。

リサ・カイルホーファー, 著者
リサ・カイルホーファー
著者

レーゲンスブルク大学で学びました。
多言語化業務に携わり、フリーランスの編集者としても活躍しています。

キャラ・コーラー
キャラ・コーラー
著者

シカゴのデポール大学とドイツのバンベルク大学で学位を取得し、現在博士号取得候補者となっています。
また、フリーランスの独英翻訳者、英独コピーエディターとしても活躍しています。

インゲ・リンドセット
インゲ・リンドセット
登録栄養士

オスロ大学のインゲ・リンドセットは登録栄養士で、専門分野は糖尿病と肥満、運動療法です。エクササイズの効果を最大限に高めたり、スポーツで最高のパフォーマンスを上げるための研究を行っています。
インゲ・リンドセットについて(ノルウェー語)

マリア・ペトロヴァ博士
マリア・ペトロヴァ博士
寄稿著者

マリア博士はヒトマイクロバイオームの分野で世界的に著名な研究者です。泌尿生殖器の細菌叢とプロバイオティクスを研究しています。ベルギーのルーベン・カトリック大学とアントワープ大学で乳酸桿菌と病原菌・ウイルスの分子相互作用を研究し、博士号を取得しました。博士の大きな業績は、ポスドクフェローのときに行った乳酸桿菌の遺伝的、分子的、機能的特性の研究です。この研究によって、膣内環境下での乳酸桿菌の働きについて素晴らしい知見を得ました。
マリア・ペトロヴァ博士について(英語)

ヨハンナ・ギルブロ博士
ヨハンナ・ギルブロ博士
寄稿著者

ヨハンナ・ギルブロ博士は受賞歴のある皮ふの専門家で、ベストセラーとなった『Skin We’re In』の著者です。
博士は実験皮ふ病学、臨床研究、そしてスキンケア製品開発の分野で15年以上の経験を持っています。また、製薬企業での長い経験を持っています。皮ふ科とコスメティクスの国際会議では、最先端の研究について頻繁に講演を行っています。また、「International Journal of Cosmetic Science」誌で過去10年の間に最も多く引用された研究者でもあります。博士はアンチエイジング成分で複数の特許を取得しており、スキンケア企業でアンチエイジング治療の研究・開発マネージャーを務めています。ギルブロ博士がスキンケア分野のエキスパートであることは言うまでもありません。『Skin We’re In』の執筆が示すように、現在は私たちのような一般人に知識を伝えることを使命としています。
2019年4月の出版の以来、『Skin We’re In』は主要な販売店でベストセラーとなっています。現在、スウェーデン語版のみが刊行されています。
https://www.skinomeproject.com

ディミトリ・アレクセーエフ博士
ディミトリ・アレクセーエフ博士
寄稿著者

ディミトリ・アレクセーエフ博士は消化管マイクロバイオーム、分子生物学、バイオインフォティクス、栄養学分野の優れた研究者です。基礎研究の臨床への応用に情熱的に取り組んでいます。Atlas Biomedグループでの主な役割は、社内外の科学プロジェクトを発展させることです。博士が携わっているプロジェクトは、栄養や神経変性疾患、炎症やがんに対するマイクロバイオームの応用、英国医薬品・医療製品規制庁の承認など多岐にわたります。Atlas Biomedグループでの統合的な役割に加え、ディミトリ博士は現在サンクトペテルブルクITMO大学で助教授を務め、健康のためのアルゴリズム開発を行っています。今後、博士はオランダのフローニンゲン大学医療センター(UMCG)に移り、老化研究に携わることになっています。
ディミトリ博士について(英語)

この記事が気に入ったらシェアしてください。
Copyright 2019 mymicrobiome.co.jp - All rights reserved.

免責事項:このサイトやブログの内容は医学的助言、診断や治療を提供することを意図したものではありません。